初めて描いた漫画の話

私は、4人兄弟の3番目です。
3歳年上に姉がいました。
漫画を描くのが上手でした。

大学ノートに、恋愛、サスペンス、ギャグ、青春モノ、それぞれのジャンルで、同時進行でストーリーを描いてました。
1週間分描き溜めて、読むのが楽しみでした。

ある日、自分でも描いてみようと思いつきました。
落書き程度に漫画は、描いてましたが、ストーリーは、初めてだったのです。

まずは、タイトル。
あの頃は、「巨人の星」と言うスポ根が流行ってました。◯◯の星
これでいこう。

私は、病弱なので、病気モノしか浮かびません。
「車イスの星 」
中々いいタイトルだ。

ストーリーは、主人公の女の子が白血病で最後死んでしまう。
でも、車イスの星になって輝き続ける。

うーん。これは、いける!

私は、いつも漫画を読んで疑問がありました。
登場人物は、シーンが変わるといつの間にか違う服を着ているのです。
彼女達は、いったいいつ服を着替えているのだろう?
私は、こだわりの強い性格でした。
いつ服を着替えたのか気になって漫画のストーリーに集中出来ない。

そうだ、自分で描くから着替えるシーンを入れれば良い。
そしたら、読者は、安心して、ストーリーに集中出来る。

でも、服を着替える描写は、難しい。
どうしよう。 着替え室だ。(この頃、更衣室と言う単語は、浮かばなかった。)

かくて、私の主人公は、何かあると「私、着替えてきます。」とお断りを入れ、着替え室と書かれたドアに入り、違う服になって出てくる。しかも、たいして代わり映えのしない洋服だ。


時々、ハンカチに血を吐いては、「あっ、血だ。」と驚くと言うシーンしか描けず、繰り返し描いていた。

私は、姉に得意げに見せた。
姉は、肩を震わせ笑っている。あれ、笑うシーンあったかな?
悲劇なんだけど、
姉は、笑いながら「この、着替え室って何?何ですぐ血を吐くの?」

私の処女作は、悲劇ではなく、喜劇に位置づけされ、未だに、漫画の話が、出ると笑ってしまいます。
残念ながら、作品は残ってません。
ただ、あの頃のワクワク感が楽しくて、その後も
お遊びで描いてました。

姉は、未だに描いてます。私は、あの頃のようにラインで送ってくるのを楽しみにしています。

本日も、有り難うございました。
明日は、時計の話でもしますか。
お楽しみに。