サンタクロース
私は、障がい者施設の夜勤の仕事をしています。
障がい者と言っても、主に知的障がい者なので、昼間は、作業所で仕事をしています。
Tさんは、50代後半の男性です。サンタクロースの意味は余り理解していません。ただ、世間が騒いでいるので気になる様子。
彼は、自閉症傾向があるので、気になると何度も同じ質問を繰り返します。今、サンタさんのキーワードにハマっています。「サンタさんて何?」「プレゼントくれる人」と私が答えます。
何度も同じ質問に面倒くさくなり、サンタさんは、デパートでプレゼントを買ってくると云う話になってしまいました。
「サンタさんは、いつプレゼント買うの?何処で買うの?」 「サンタさんは、人に見られない様に夜中の2時にデパートに行くよ。」と私。(これじゃあ、泥棒みたい)
「何処で買うの?」「伊勢丹か、三越どちらが良い?」 「伊勢丹が良い。ショベルドーザー
買ってくれるかな?」 「うん。買ってくれると良いね。お兄ちゃんに言ってみたら。サンタさんに頼んでくれるよ。」
Tさんには、お兄さんがいて、月に一度実家に帰省しています。Tさんは、日にちはよく覚えています。23日にサンタさんがデパートに買い物に行く事は、理解しています。
私は、24日夜勤に入っていました。「サンタさん来なかったよ。どうしたんだろう。」
「サンタさん疲れてお休みしているよ。」と私。
Tさんの中でサンタさんは、変換されて「メガネをかけた女のサンタさんお休みしているの?」と言う話になっていました。Tさんは、自分の中で物語りが有る様子。時々変換します。「魔女に肩甲骨あるの?」以前突然質問されました。
私は、メガネをかけた女のサンタさんが夜中に伊勢丹に行く姿をイメージして、笑っていました。
その話を同僚にしたら、「デパートは、古い、今はネットで注文。伊勢丹では無くてアマゾン」
ここで又、大笑いでした。楽しいクリスマスでした。