私がカウンセラーになろう思った理由 パート4

私の学校生活は、少しずつ変わって行きました。
さとみと一緒に行動する事が増えました。でも、二人きりでは無く、さとみのグループと一緒に行動する事が増えたのです。

T子は、相変わらず苦手でした。でも、T子は、さとみの幼稚園からの友達でした。私が、さとみと一緒にいたいなら、さとみの友達も含めて付き合っていくしかありませんでした。

さとみは、日曜日私が遊びに行っている事は、余り周りに知られたく無い様子でした。
特にT子には、知られたくない様に思いました。

T子は、私がさとみと親しくなった事を不思議に思っていました。

さとみに「どうして◯◯(私の事)と仲が良いのか分からない。気が合うの?」と聞いたそうす。

T子は、時には、私を馬鹿にしました。でも、
そんな事どうでも良かったのです。T子にどう思われようと平気でした。



何故なら、さとみは、学校で見せない顔を私に見せていました。私にだけです。

さとみは、学校では、明るく誰とでも仲良くなれました。先生の受けも良かったのです。
成績も上位でした。

家でも、しっかりしたお姉ちゃんです。祖母と9歳年下の妹の面倒を良く見てました。家事もこなし、よくお手伝いしていました。

でも、私に見せる顔は、繊細でわりと傷つきやすく、脆いのです。コンプレックスも沢山有りました。時々毒も有りました。

私は、彼女のカウンセラーでした。ただ話を聴いていただけでした。でも、他に洩らす事は無いので、信頼されていました。

私は、彼女の闇の部分に魅了されていました。両方とも彼女です。今から思えば、たいした闇でも無かったのですが、思春期の入り口に入っていました。

わたしは、本の虫だったので、年齢より少しマセテいました。もうひとつは、世間からずれていたので、私の存在は外側の人だったのです。

私にどう思われるかは、さとみの中に無かったのです。
人が、本音で付き合う事が難しいのは、利害関係があるか、相手にどう思われるか分からないからです。

私は、同じ土俵にいない人間だったのです。彼女は、私の前では、仮面を脱いだ素の自分だったのです。

私は、日曜日に遊びに行く日々がもっと続くモノと思っていました。
ある日、突然終止符が打たれたのです。

この続きは、次回にします。お楽しみ下さい。