ベートーベンの中岡先生,パート4

遠足の後、先生は、更に親しくなりました。
昭和40年代は、バナナが高級品の時代でした。

私は、相変わらず、休んだり、学校に行ける日は、行ったりを繰り返してました。

先生は、バナナを買ってきて、自宅まで来て、
玄関先で帰りました。母との僅かな会話のやり取りを楽しんで、満足しているようでした。

何度か声かけしても、玄関先から奥には、入らなかったのです。
人目のある田舎だったので、先生は、気を使ったのでしょう。


暫くしてから、先生は、パッタリ来なくなりました。母と顔を合わしてもよそよそしかったのです。

ドウシタンダロウ? 私は、不思議に思いました。 でも、子供は、柔軟性があります。


私は、いつの間にか慣れてしまい、先生との蜜月も
終わり、2年生になりました。

中岡先生は、担任ではなくなり、廊下ですれ違う程度になりました。

私が先生と会ったのは、運動会でした。
先生は、キャラメルをくれました。一言、二言話をして別れました。

それが、この世で見た先生の最期の姿でした。


この続きは、又、明日。
有り難うございました。