妹、養女になる?事件。

父は、東京で宝石店を営んでました。お盆とお正月は、帰省しました。

母は、実家から、5分の所に住んでいたので、親戚が何軒かありました。

父は、帰省すると親戚回りをし、退屈して2~3日で東京に帰ってしまいます。

その日は、久しぶりの我が家でくつろいでいました。

どうしてそういう話になったのか不明です。
父が妹に親戚の家の養女にならないか話をしているのです。
退屈しのぎだったのかもしれません。

親戚の家は、母の実家の隣にありました。
親戚が昔住んでいた場所がめがと云ったので
めがのおじちゃん、おばちゃんと呼んでました。
めがのおばちゃんが母の姉でした。

息子さんが、二人いたのですが、二人とも東京で暮らしていました。

めがは昔から女の子を欲しがっていました。

父は、めがの家に養女になると、車があるし、女の子一人で可愛がられる。
大きなぬいぐるみを買って貰える。等々話し、いかに得か話しました。


父は、運転出来ましたが、母は、運転出来ません。
当然、我が家には車がありませんでした。

父は、帰省すると、めがのおじちゃんに運転手を頼んでました。
いつでもドライブに行けると言う話が妹の気持ちに
火をつけました。

「私、めがの子供になる。」そう 宣言しました。

でも、私と妹は、めがのおじちゃんを怖がってました。
声が大きくて、怖い顔をしていたので、
普通にしゃべっていても、怒っているように感じました。本当に大丈夫なんだろうか?

父は、ニヤニヤしてます。

妹は、すっかりその気になり、ランドセルに教科書を詰め込んでいます。

ランドセルを背負って家を出ました。
父は、私に、「跡をつけて様子を見てこい」と言いました。
歩いて5分です。
私は、妹に見つからない様に跡をつけるのに苦労しました。めがの家に入って行くのを見届けてから、
家に帰りました。

報告すると父は笑っていました。私は、やっと
冗談で本気ではないと分かってホッとしました。

暫くして、妹が「こんにちわ。おばちゃん。」と
母を見て言いました。
これには、母も笑いました。

父は、「これからうなぎを食べに行くけど、おまえは、めがの子供になったのだから、めがのおじちゃんに連れてってもらえ。」と言いました。

妹がめがの家に戻って確認すると、車が故障しているから行けないと言われ、しょんぼりして
我が家に来ました。「やっぱりここの家の子供がいい。」

こうして、妹は、帰ってきてみんなでうなぎを食べに行きました。

大人になってからこの話が出ると笑い話になります。
でも、子供は、自分がよその子供だったらと一度は想像するのではないかと思います。

あの時、もし本気でめがの子供になったら私は、
家に戻って来るように説得したと思います。

さて、明日は私の暗黒時代のお話をします。
こう、ご期待下さい。
本日も有り難うございました😄