ヨシさんとの初デート

私は、スカートをはくのが、好きではありませんでした。今でもそうですが、がに股なので不恰好でした。ヒールの高い靴が履けません。
スニーカーの方が履きやすかったのです。

お化粧も、好きではありませんでした。でも、初デートです。迷ったあげく、薄化粧と、スカートにしました。

まだ、東京の交通網がよく分かりません。(今だに
よく判りませんが😃)
教えてもらった通りに行きました。最寄りの駅に着いたら電話して迎えに来ることになっていました。


いきなり相手の部屋に行くのは、どうなのだろう?
普通は、何度か外でデートをしてから、部屋に行くんじゃないかな。
私は、色々考えました。でも、どんな暮らしをしているのか知りたいと思いました。

駅に着いてから、電話しました。10分後にヨシさんの姿が見えました。
何だかくたびれた中年おじさんみたいだ。

私がヨシさんと会っているのは、サークル内なので夜でした。議論をしている彼は、インテリで格好良く見えたのです。昼間の明るい場所で見るのは、初めてです。

それでも、私達は、彼の部屋に向かって歩き始めました。「私は、方向音痴だから、道を覚えられない。」そんな話をしていたら、「大丈夫。覚えるまで何度でも迎えに行くから。」と言うのです。


さて、アパートは、当然ボロです。しかも長屋のような作りでした。トイレは、外にありました。勿論水洗トイレでは、ありませんでした。

私は、田舎の人間なので、そういう事にこだわりは無かったのです。ただ、私が想像していた人情のある下町長屋では無かったのです。
住民の半分以上は、土建業の寮として入居していました。酒びたりの人もいるし、喧嘩もあったようです。

ヨシさんは、ピリピリしていました。部屋に入るまでは、口を聞かないようにと言いました。

私は、緊張しながら部屋に入りました。
4畳半に流し台とガス台が申し訳程度についていました。
部屋中に、本が積んでありました。真ん中にこたつ。
掃除機をかけた後がありました。

私は、特に気にする事なく、お互いの話をしました。暫くしてから、ヨシさんは、外に出ようと言いました。いつも行っている大きな公園があるから
自転車で行くと。

私は、後ろに乗りました。公園は、本当に大きく
グランドがあったり、入口も沢山あり、奥は、博物館があるそうです。北海道産まれの彼は、この公園が気に入ってアパートを借りたそうです。


私達は、公園に敷物をして、お互いの話をしました。その時、初めてヨシさんが、10歳年上と知りました。

ショックでした。
私の中では、恋愛の対象外でした。でも、やはり彼に興味があったのです。
彼は、お化粧が好きではないのと、公園に行く事が多いから、ズボンが良いと言うのです。


私にとっては、楽でした。まあ、どうなるかわからないけど、付き合ってみるか。

こうして、私達は、付き合う事になりました。

続きは、次回です。
本日も、有り難うございました😄