宇宙人になった姉。

それが、いつから始まったか記憶が曖昧です。
多分、小学校低学年だと思います。

3歳年上の姉が突然、「実は、私、宇宙人なの。」と、内緒話をするように私に言いました。

「地球の平和を守る為、地球に来たの。」私は、直ぐにはどう反応していいのか分かりませんでした。

姉は、証拠を見せると言って、何もついていない手を水道で洗い始めました。あら、不思議。
水道の蛇口をひねったら、泡が出るではありませんか?私は、びっくりしてしまいました。(後で聞いたら、石鹸をあらかじめつけていたそうです。)


その後、両指を絡め、手のひらの中に中指を隠し、
指の数を数えてと言われました。

9本しかない。これは、凄い。
クリスマスのサンタクロース処ではない。
こんなに身近に宇宙人がいたなんて。

姉は、私がすっかり信じきったので、面白がって
度々宇宙人の話をしました。

普段は、完全にお姉ちゃんモードなのに、宇宙人になる時は、口でビビビビと合図がありました。

その時だけ、宇宙の話をしてくれました。
なので、私も、秘密を守る為普段は、普通に装っていました。
でも、心の中は、早くビビビビが来ないか待ってました。

そんなある日です。
ふたりで、堤防を散歩していました。実家は、海の近くだったので、よく堤防を散歩していました。

堤防の脇に雑木林がありました。人が入れない程
草が生い茂ってました。

その日は、雨でした。姉は、私に「あの草むらに宇宙船を隠している。」と言うのです。
私は、是非見たいとせがみました。

姉は、困った顔して、無理だと言いました。
私は、悲しくなって泣き出しました。
姉は、本当に困ったように「今日は、雨が降っていて無理だけど、今度連れてくから。」

そう約束してくれました。
その日は、突然やって来ました。
姉が、「宇宙船見せてあげるから、目をつむって。
よしと言うまで、絶対目を開けないで。」


そう言ったのです。私は、目をつむりました。
姉は、私の手を引いて何処かに、入りました。
その時です。
「あんた達、何やってんの」
母の声です。「こんなところに入ってないで、出て来なさい❗」
私は、目を開けました。そこは、押し入れの中でした。

それから、ビビビビも聞かれなくなり、私達は、日常に戻りました。
あの暗闇のワクワクは、今でも、覚えています。
一体姉は、あの時どうするつもりだったのか。
本人に聞いたら、覚えていませんでした。

私は、今でも、姉が宇宙人かもしれないと密かに疑っています。(笑)

さて、次回は、勘違いのお話をします。
本日も、有り難うございました😄