私達の経済状態

私は、会社から独立して、会社から仕事を貰っていました。
一枚幾らの世界です。来る仕事によって値段が違うのです。枚数をこなさないといけません。

私は、不器用でした。上手に仕立てられません。
ただ、スピードは、早かったのです。急ぎは、ほとんどやりました。

結婚して、10年位は、何とか生活出来ました。ところが、バブルが弾け、仕立て代が下がりました。
年齢とともにスピードが落ちてきました。

指の腱鞘炎を何度か繰り返し、以前のようなスピードが出なくなったのです。


ヨシさんは、ヨシさんで、体力が落ちてきました。
3ヶ月間通して働く事が難しくなりました。
月火、木金と仕事をしました。

ヨシさんは、大きな警備会社で働いていました。仕事は、出来たので、あぶれる事は無かったのです。

ところが、バブルが弾け、日給の良い職員には、仕事を与えなくなりました。日給を安くして、若い人を沢山入れたのです。

古い職員は、一旦辞めて新たに安い料金で再契約する事を進めました。ヨシさんは、上司が代わり益々仕事を干されました。

それで、別の警備会社に移りました。
私は、自転車事故の後、簡保に入りました。
20年定期です。貸し付けも出来たのです。

私達は、10年間は、どうにか出来ました。
その後は、簡保の貸し付け金を使いました。10年間の貯金から、借りました。
お互い不安定な収入でした。
私は、漢方薬にも、お金を使いました。

それでも、自分達の貯金からの貸し付けなので、満期の時満額貰えないだけの話です。

ヨシさんの提案でした。入っておいて良かったと本当に思いました。

私は、生活に対する不安をいつも抱えていました。
現実には、家賃も滞る事なく、ちゃんと暮らせていたのにです。

そんな時、ヨシさんはいつも、堂々巡りの罠と言う言い方をしていました。
本当に困った時が来たら
その時に困れば良い。今、心配の先取りしても
時間の無駄。

現実に出来る事(この場合簡保に入る。)をしている。今なら、彼の言っている事がとてもよく解ります。この頃は、私自身未熟でした。

それでも、私は、ヨシさんの考え方が正しいと解っていました。例え、生活が安定していても、私は、不安の先取りをしたと思います。

人間は、そういう生き物だからです。もし、貯金があれば、もっと沢山貯金をしたがる。
人生の大半を費やしてしまう。

まだヨシさんが体力のある時、3ヶ月働いて
いつもなら、休みに入る予定の時です。
休まないで4~5日働いていたのです。

「明日から、休むよ。罠にはまる所だった。働いていると不安から解放される。つい、このまま働いてもいいかなと思ってしまう。」

私は、ヨシさんらしいと笑ってしまいました。

続きは次回です。
本日も、有り難うございました😄