ヨシさん荼毘(だび)に伏す。

警察官の独りが、知り合いの葬儀屋さんを紹介してくれました。

私は、葬式をしないで直葬にする意思を伝えました。そして、これまでの経由をヨシさんのお兄さんに伝えました。

お兄さんは、奥さんと二人だけで見送りはしたいと言いました。ヨシさんは、解剖の為、まだ帰って無かったのです。24日に帰ってくると聞いていたので、24日に来て貰いました。

私は、段々調子が悪くなっていきました。ヨシさんのいない部屋で、ぼんやりしていました。哀しむ体力、気力も無い状態です。

24日、お兄さん夫婦が来て暫くしてから、ヨシさんが帰ってきました。
私は、彼を見て唖然としました。首にガムテープが巻かれていたのです。

解剖の後です。お兄さん夫婦も、驚いた顔をしていました。

運んで来た人は、申し訳なさそうな顔をしています。

私は、何の感情も沸いてきませんでした。何だか現実感が無く夢の中の出来事のようでした。

ここは、怒るべきなのか、笑うべきなのか?どちらでもいいわ。この人の魂はここにはいない。
再度私は、そう思いました。

火葬場が26日に空いていると言うので、その日に決めました。お兄さん夫婦は、又、その日に来ると言って帰りました。


葬儀屋には、26日に支払いを約束しました。私は、金策にいったり、役場に行ったりして、かなり限界でした。お腹が緩くて、下痢でした。

私は、ヨシさんなら無理するなと言うと思いました。ヨシさんのお兄さんに火葬場に行けないと伝えました。葬儀屋に任せる事も出来るけどと、伝えると、お兄さん達が行くからと言ってくれました。

こうして、私は、ヨシさんを見送る事が出来ませんでした。

続きは次回にします。本日も、有り難うございました