憧れの専業主婦 パート2

私の両親は、子供の前で喧嘩をする事は
ありませんでした。
そもそも、お盆とお正月だけ帰省し、父は、家にいる時間が少なく、母の親戚廻りしていました。
時々は、東京からお客さんを連れて来ました。
時々、子供達と海を散歩しました。

父と母は、朝、早く目を覚ましていました。
父は、独りで寝てました。母は、子供達と同じ部屋で寝てました。

上の二人は、部屋が有りましたが、私と妹の部屋は、離れだったので、寝るのは、居間でした。なので、母と3人で寝ていました。

私は、喘息があったので、朝方は眠れなくて、
狸寝入りしていました。

朝方になると、襖の向こうでボソボソと話し声がしました。父と母の話し声でした。
子供達の話し、共通の知人の話し等です。

他愛の無い話しを夢うつつに聞きながら、満足していました。

それでも、父は、宗教活動を嫌っていました。
子供の前で喧嘩はしなかったと思いますが、
代わりに、不機嫌になり予定より早く帰ってしまいました。

母は、辞めたとウソをつき内緒でやっていました。事情を知らない周りの信者さんから
ばれて、怒って帰る。その繰り返しでした。

母の話しでは、最初から信仰の話しはしていたそうです。特に反対なくやっていた。

ただ、母は、寂しかったのでしょう。次第にのめり込んでしまいました。段々、父が嫌がる様になったそうです。

私は、父が帰省する連絡貰うと、宗教関係のモノ全て隠す様になりました。
母の隠し方があまりにもずさんだったからです。

母は、父の悪口を一切言わなかったのです。私は、母の気持ちも、父の気持ちもよく解らないけど、バレなければ問題無いと思っていました。

夢見る夢子ちゃんは、やはり、父と母を理想像と思っていました。

私は、色々あって2年遅れて高校に入学しました。卒業間際に初めて、彼氏が出来ました。
一学年下の年下の彼氏です。

私が理想像と思っていた両親の姿が壊れたのは、ある出来事があったからです。

この続きは、次回にします。